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2017年06月04日

日経平均はついに2万円を突破、通過点になるのか

2017年6月4日 【先週のTOPIX 業種別騰落率】

「日経平均はついに2万円を突破、通過点になるのか」

鈴木一之です。6月に入りました。カレンダーが変わったとたんに株式市場は突如として大きく変化しました。

日経平均が2万円の大台を突破しました。厚い壁を意識させられて、大台突破にはかなり苦労しましたが、ひとたび越えてしまえば今度はそれが下値となります。

トランプ大統領がG7でどれほど乱暴な振る舞いをしようとも、パリ協定から脱退して世界に亀裂が走ろうとも、総選挙を目前に控える英国のマンチェスターで凶悪な爆弾テロ事件が発生しようとも、

安倍政権の周辺でどれほどきなくさい動きが進行していようとも、OPEC減産にも関わらず原油価格が急落しようとも、北朝鮮が何発ミサイルを発射しようとも、世界の株価は一斉に上昇を続けています。

株価の上昇で先行しているのは米国です。今週はメモリアルデーの3連休が明けるのを待って、NYダウ工業株が史上最高値を更新しました。5月の雇用統計は弱いデータだったものの、その弱さが好感されました。

フランスもスペインも、ブラジルも韓国も、予想を超える経済の好調さに沸いています。若者の失業者が減り生産活動が活発化して、それが株価を押し上げています。タイやインドでは自動車販売が伸びており、テクノロジー業界でも新しい変化が押し寄せています。

株価を押し下げかねない心配ごとは山ほどありますが、それを補うだけの株価押し上げ材料もたくさん存在する、というのが今の世界の姿です。下落の危うさと上昇の陶酔感が交互に顔を見せる不安定な感覚がつきまといます。

しかし心配が先に立っていることが、今の上昇相場を長続きさせている最大の理由なのかもしれません。リーマン・ショックからこのかた、世の中を不安な目で眺めることがみんなの習い性になっています。そのせいか、今のマーケットに浮かれた気持ちはほとんどありません。「デフレ・マインド」とはこういうことを指すのでしょう。

だからこそ株価は上昇するのだとすれば、マーケットとはなんとも皮肉なものです。「楽観するには楽観に陥ってはならない。」

さて、先週のTOPIXは続伸しました。先行していた日経500種平均が先に高値を更新し、そのあとに日経平均やTOPIXが続いて高値更新に至りました。

週をまたいで日経平均は4日続落となっていました。それが木曜日に6月入りとなったとたんに上昇を開始し、週末に向かう2日間は全面的な上昇に変わっています。海外の株式市場が先行して上昇しており、それを東京市場が遅ればせながら追いかけ始めた、というところです。

TOPIX-17業種では、すべてのセクターが上昇しました。中でも上昇の目だっているのは、「金融(除く銀行)」、「不動産」、「銀行」という出遅れ気味の業種です。不動産セクターの急上昇に引っ張られてメガバンクの値上がりも目立ちました。

同じように輸出関連の一角でも、「機械」、「電機・精密」、「自動車・輸送機」が大幅高となりました。日本精工(6471)、スバル(7270)、日産自(7201)などの自動車および関連銘柄が大きく買われています。

このほかにも神戸製鋼所(5406)、JFEホールディングス(5411)の鉄鋼株や、H2Oリテイリング(8242)、第一生命(8750)、野村ホールディングス(8604)などの出遅れ銘柄が次々と買われました。

あいかわらず材料株は個別物色で急騰を続けています。ただしその一方で、マザーズ、ジャスダックの中には急上昇の反動で急落する銘柄も見られます。

こうなるとひとつの流れが出てくることが予想されます。出遅れていた大型株を片っ端から狙い撃ちして買い上がる動きが継続し、反対に先行して上昇した小型株には利益確定売りが広がりやすくなります。このような傾向がまだ当分の間は続くと見ておくべきでしょう。

ネガティブな要因を悪材料と意識しているうちは、マーケットは健全だと言えます。悪材料を意識しなくなった時が危険です。したがって好材料を探すよりも、悪材料に対する市場の反応に目を凝らしておくべきです。

名古屋でのセミナーが無事に終了しました。今回も大勢のお客様にお越しいただき、本当にありがとうございました。複眼経済観測所の渡部清二さんにもご参加いただき、活発に議論を交わすことができました。

今週は金沢におうかがいいたします。こちらでも大勢の皆さまと、またお目にかかれることを楽しみにしております。

以上




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