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2017年04月08日

4月8日

2017年4月9日 【先週のTOPIX 業種別騰落率】

「米軍がシリアを攻撃、TOPIXは4週連続の下落」

鈴木一之です。新年度に入って最初の1週間。世の中は毎日のように新しい変化が起こりました。花見酒に酔いしれている暇はほとんどありません。

中でも最大の変化は、米軍がシリア空軍基地の爆撃に踏み切ったことです。「ついに」というべきでしょうか。アサド政権による化学兵器の使用が明らかになったことに、トランプ大統領が激怒して攻撃命令を出したということのようですが、これでシリア内戦を決定的に終わらせることができるとは、実のところ誰も思っていません。

むしろ長期的な戦略が何も確立していないのに、ただ衝動的に爆撃命令を出す大統領に不安を感じている、というのが実情のようです。蜜月が疑われたロシアとの関係も、この空爆で一気に険悪になっているとか。

そのロシアもサンクトペテルブルクで地下鉄爆破のテロ事件が起こったばかりで、続いてスウェーデンのストックホルムでもトラック暴走テロ事件が発生しました。世界はどこへ向かっているのか。不安心理が増すばかりです。

先週の東京株式市場では、引き続き軟調な動きが目立ちました。TOPIXは4週連続での値下がりです。昨年6月の英国の国民投票直前に起こって以来のことです。

下落の最初のきっかけを作ったのは原油価格の急落でした。その後、原油市況は急速に持ち直していますが、現在では中東を巡る不透明感の高まりが背後に浮上しています。

今のところ世界経済は順調に拡大しているため、株価のさらなる下押し不安は少ないと見られています。

ところが地政学的リスクが高まると、好調だったはずの世界経済への信頼感はあっという間に沈滞ムードに変わってしまいます。相場の下支えだった経済への信頼感がいきなり消失してしまうことになりかねません。

株価は経済に先行して動きます。それは「株価が経済よりも先に動く」という以上に、「株価が値下がりすることで、好調だった経済への信頼感が変化して、経済が株価の下落によって腰折れしてしまう」という表現の方が正しいように思います。

経済の動きとはそれほど繊細なものです。人間の営みである以上、経済活動は日々変化しています。トランプ大統領の衝動的な決断が、経済心理をこれ以上悪化させないことを祈るばかりです。

TOPIX-17業種のセクター別では、値上がりが5業種にわずかながら拡大しました。値下がりセクターは12業種です。前週に続いて、値下がりセクターが広範囲に広がるという状況が続いています。

値下がりセクターの上位は、「鉄鋼・非鉄」という景気敏感株が中心でした。「自動車・輸送機」や「電機・精密」、「機械」も軟調な値動きを続けています。トランプラリーによる上昇を支えてきた製造業の大手どころが軒並み下落しました。

原油市況は徐々に持ち直しています。ただしそれに反してアルミや銅などの非鉄市況は軟調な動きを強めています。この辺の景気敏感株の下落がマーケットの不安心理を少しばかり増幅させているような部分があります。

反対に、値上がり上位のセクターは「小売」、「食品」、「医薬品」などのディフェンシブ的なセクターが集中しました。

小売セクターではニトリHD(9843)、しまむら(8227)、セブン&アイHD(3382)という決算発表を済ませた業績好調の銘柄がしっかりした値動きを見せました。良品計画(7451)も堅調です。

ただし株価がしっかりしているのはこの辺りの銘柄に限定されており、百貨店やドラッグストア、家電量販店を中心に、むしろ小売セクターは軟調な銘柄が目立ち始めています。そしてそれは食品、情報通信セクターも同様で、ごく限られた銘柄だけが上昇し、それ以外の銘柄は換金売りのような小幅な下落が続いているのが現状です。

株式市場に流れる不安心理がそのまま映し出されたような値動きが、先週のマーケットを貫く大きな特徴でした。だんだんと調整ムードが強まっています。

そのような不安定な世界情勢ですが、今週末は大阪セミナー、来週は宇都宮セミナーが開催されます。大阪には、第一生命経済研究所の永濱利廣さんがゲストで初参加されます。

GWの前後では「それ以前・以後」とで相場の流れが変わりやすいものです。その辺を十分に意識しながら、皆さまとじっくり今後の展開を考えてみたいと思います。

皆さまどうぞお手柔らかに。よろしくお願いいたします。

以上






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