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2017年01月28日

1月28日

2017年1月29日 【先週のTOPIX 業種別騰落率】

「トランプ政権が本格的に始動、NYダウは2万ドル突破!」

鈴木一之です。インフルエンザとノロウイルスが猛威を振るっている日本列島は、寒波が相当厳しくなっております。そんな折りも折り、節分の今週は中学受験の入試が始まります。受験生およびご家族の皆さま、どうか万全の体調で臨んでください。日本中が「サクラサク」の吉報を待っています。

米国のトランプ政権が本格的にスタートしました。TPP脱退、メキシコ国境での壁の建設、「もうひとつの事実」発言。米国および世界は一夜にして騒々しい世の中にがらりと姿を変えました。

1週間前の大統領就任式で発した就任演説は、前任者や大統領職務の伝統に対する配慮をあまりに欠いた内容でした。そこでのメッセージは早くも現実のものとなり、世界がなんとなく抱いていた不安があらためて認識されました。

メキシコとの間の壁の建設費は輸入課徴金や国境税で徴収するそうです。メキシコのペニャニエト大統領の支持率は12%まで低下してしまいました。「神の国」森喜朗内閣の支持率とほぼ同じレベルです。

そこまでの仕打ちに合うメキシコ国民に同情を禁じ得ません。気の毒に感じるところも多分にありますが、メキシコやベネズエラなど中南米諸国は米国のおひざ元で、その地域の経済環境の苦境はこれまでにもたびたび、米国と世界経済を揺さぶってきました。

西部劇なら「メキシコの盗賊一味vs孤高のガンマン」というシナリオはあっても、貿易は一国では成り立ちません。強権に頼ってあまり弱い者を叩かない方がよいように思うのですが、そういう理屈が通らない世界になったのですね。

ただし米国の株式市場は実に堅調です。

NYダウ工業株はついに2万ドルの大台を突破して史上最高値を更新しました。事の良し悪しはともかく、大統領と両院が共和党で占められているという現在の米国の政治情勢が高く評価されています。

加えてコモディティ価格の反転・上昇が続いており、そこから誘引されるエネルギーセクターの投資復活が期待されます。先々には大規模なトランプ減税と公共投資が加わることが予想され、そうなれば全米規模での企業収益はますます盤石なものとなります。

昨年半ばから強まっている景気の拡大が「よい金利上昇」を招き、米国の株式市場では本格的な業績相場が始まったと見る向きが増えています。「トランプラリー」の第2幕がまさに先週から、大統領就任式とダウ2万ドル乗せから本格的に始まったということになりそうです。

先週の東京株式市場は、TOPIXは反発しました。為替動向に振り回された前の週の動きから一変して、輸出関連株を中心に幅広い上昇が見られました。

セクター別では、TOPIX-17業種のうちの103業種が値上がり。7業種がマイナスとなりました。週末にかけて日経平均、TOPIXともに3日続伸としっかりした割には、値下がりセクターが多かったように感じる週でした。

上昇の目立っている業種は景気敏感株に集中しています。値上がりトップの「素材・化学」を筆頭に、「電機・精密」、「鉄鋼・非鉄」、「機械」とすべて景気敏感株に属しています。

中でもトップの「素材・化学」は、リード役の信越化学(4063)を中心に、決算好調の日立化成(4217)や住友ベークライト(4203)、東京応化工業(4186)など半導体関連株が軒並み大きく買われました。三菱ガス化学(4182)、JSR(4185)、日本ゼオン(4205)なども同様です。

自動車も家電製品も、インターネットを通じてあらゆるものがつながる世界、「IoT」の世の中がすぐそこに来ています。いずれは空気のように、そんなことは当たり前の世の中になっているのでしょう。もはや特筆すべきことではないのかもしれません。

半導体の需要が世界規模で盛り上がっていることが明らかです。今さらながら、「世界最高」と言われた英アーム社をさっさと買収したソフトバンクのマサ社長の慧眼に感服いたします。

そればかりでなく先週は、「電機・精密」、「機械」セクターの上昇も光りました。こちらの中心はファナック(6954)です。米国の株式市場と同様に文字通りの資本財セクターです。

ロボットのファナックを筆頭に、三菱電機(6503)、富士電機(6504)、安川電機(6506)、オムロン(6645)、IDEC(6652)、横河電機(6841)など、工場のラインを設計製造するような産業用エレクトロニクスが全面高となっています。

機械セクターでもオークマ(6103)、牧野フライス製作所(6135)、SMC(6273)、DMG森精機(6141)などが大きく買われました。企業の設備投資もがぜん活発になってきたということの表れです。

「働き方改革」は工場とホワイトカラーの両方の改革が伴って成り立ちます。工場も変わるしオフィスも変わります。そこにはいくらでも設備投資の芽がひそんでいるように感じます。企業には潤沢に手元資金がありますから、若手社員を確保するためにも、その気になればいくらでも改良の余地は出てきそうですね。

逆に軟調なセクターは「自動車・輸送機」でした。「日米貿易摩擦の再燃」と騒がれてしまいますが、トランプ大統領みずからが日本の自動車産業を不公平と名指ししたことが尾を引いています。

再び為替政策の行方が微妙になってきました。トランプ政権との距離感の取り方は自動車産業の浮沈に関わってきます。2月10日に決定した日米首脳会談の行方を見守るモードに入ったようです。

閑話休題

誰しもおっかなびっくりのスタンスで臨んでいる分、先々の株高はまだ期待できそうな雲行きです。星の数ほどある新聞記事の中で先週、最も興味を覚えたのがアーミテージ元・国務副長官への日経新聞のインタビュー記事でした。

アーミテージ氏はトランプ大統領を評して、「彼は不動産業者であってビジネスマンではない。」と述べていました。

どうやら不動産業者はディール(取引)をする人、一方のビジネスマンは共に利益を得られる関係をめざす人、ということのようです。ビジネスの本場・米国では両者はそのように明確に区別されているようですね。

以上






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