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2017年01月14日

1月14日

2017年1月15日 【先週のTOPIX 業種別騰落率】

「トランプ劇場は大荒れで幕開け」

鈴木一之です。新年もトランプ次期大統領に振り回される日々が続いています。

先週は大統領当選後、初めての記者会見が実施されましたが、その内容があまりに過激だったためにマーケットは失望感を隠せませんでした。

NY株式市場はもとより、東京市場も木曜日は大きく下落しました。今年の大発会に4年ぶりのプラスを記録して幸先よく始まったマーケットは、その後は神経質な動きに戻ってしまい、なんとなく形にならない不安感が市場全体に漂っています。

もともと昨年暮れの「トランプラリー」が少々いいとこどり、出来過ぎの部分が大きかったのですが、その間の陶酔感が少しずつ剥落しつつあるようです。「期待で買って現実で売る」のがマーケットの根っからの習性でもありますので、それはそれでよいのかもしれませんが、少し冷静になって現実を見つめるようになった様子です。

先週の東京株式市場は、TOPIXが反落しました。立ち合い日数が4日間で、しかも週半ばに開かれたトランプ氏・記者会見を控えていたという部分で一進一退の展開となりました。

昨年暮れから調子を取り戻していた新興市場も、マザーズ指数は3週ぶりの反落。REIT指数は実に9週ぶりに下落しました。バリュー株もグロース株も一様に値下がりしています。サイコロジカルラインは「3」のボトム圏に張り付いています。

セクター別では、TOPIX-17業種のうちの13業種が値下がりし、4業種が上昇しました。値下がりの目立ったのは「不動産」、「食品」、「建設・資材」など内需関連株です。

ただし値下がりは比較的軽いものにとどまっているように見えます。セクター別で見て逆行高を示した業種は「エネルギー資源」、「鉄鋼・非鉄」、「機械」など、トランプラリーの初期に買われたものが登場しています。これなどは見方によれば、物色が再び先頭に戻ってきたと見ることも可能です。

個別銘柄でも、決算発表シーズンを迎えている小売のグループから、週末にかけてファーストリテイリング(9983)やセブンアンドアイ・ホールディングス(3382)が堅調な決算内容を好感してしっかりしました。

そうは言っても現在の株式市場は、やはり個別銘柄が優位の展開です。全体観が読みにくいということが大きいのかもしれませんが、個別の銘柄に材料が付きやすくなっているように感じます。世の中でイノベーションが生まれやすくなっていることを反映しているのでしょうか。

何と言っても今週のヒーローは日本カーボン(5302)です。1月11日(水)の日経新聞が報じた航空機向けの新素材「炭化ケイ素」をGEが採用したとの報道を手がかりに、株価が大きく動きました。先週の東証1部の値上がり率トップにいきなり登場しています。

そのほかにもアスカネット(2438)が「空中映像」向けの新デバイスでストップ高まで買われたり、AKIBAホールディングス(6840)がエヌビディアの技術イベントで子会社製品が高く評価されて7日続伸したり、チェンジ(3962)が羽田空港でロボットを使った自動物流システムを導入する技術で急騰したり、あちこちでまったく新しい技術を使った材料が噴出しています。

材料株はまさに百花繚乱の様相ですね。思えば先週の大発会でも、ルネサスエレクトロニクス(6723)が完全自動運転カーを試作したと伝えられ、年初から株価が急伸して始まりました。その翌日にはゼンリン(9474)がエヌビディアとの地図データとの提携で買い進まれたりしています。

いずれも「第4次産業革命」と呼ばれるような新しい技術革新の大波に乗ったテクノロジーをストレートに評価する動きです。おそらくこの現象は決して一過性のものではなく、2017年という年を通じて展開してゆく状況の予告編なのではないでしょうか。

ひょっとしたら予告編ではなく、もうすでに本編が始まっているのかもしれません。材料株が活躍することで、マーケット全体が活性化することもかつては何度もありました。不透明な状況でこそ、そのような流れが起こりやすいものです。

どうやら個別銘柄をつぶさに追いかけてゆく作業が重要になってきたようです。決算発表は今週はお休み。来週から3月決算企業の第3四半期シーズンを迎えます。トランプ氏の発言を追いかける作業はマスメディアに任せておいて、個々の銘柄をじっくり探す展開が楽しみになってきました。

以上






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