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2016年12月10日

12月10日

2016年12月11日 【今週のTOPIX 業種別騰落率】

「日経平均、TOPIXは5週連続で上昇」

熊本、大分で発生した地震により被災された皆さまに心よりお見舞い申し上げます。

鈴木一之です。冬型の気圧配置が広がり、空気が乾燥して関東地方は青空がきれいです。まさに冬本番という風情ですが、全国的にインフルエンザが猛威を振るっています。手を洗いうがいを励行するようになさってください。

株式市場では先週もトランプ・ラリーは衰えを見せませんでした。株価の騰勢には一段と弾みがつき、物色動向も横へ横へと広がりを見せています。

米国では大統領選挙直後から買い進まれた銀行株がそのまま突っ走っており、NYダウ、S&P500ともに史上最高値を更新し続けています。

先週はそこにエネルギー関連株とハイテク株が加わりました。米国は政府の公共投資に加えて、民間の設備投資を軸に大きな景気拡大に入ろうとしているかのような物色が展開されています。

孫正義社長も居ても立ってもいられずにトランプタワーにかけつけました。「機を見るに敏」とはまさにこのことです。経営者たるものこうでなければいけません。

先週の東京株式市場は、T0PIXが5週連続で上昇しました。その前の週は上昇率が+0.92%と少し鈍りましたが、先週は+3.21%に再び大きく拡大しました。

週半ばから、それまでチビチビとしか上昇してこなかった米国株式市場が吹っ切れたかのように大幅高を示し、そこから東京市場も騰勢を一段と強めたようです。

バリュー株とグロース株の対比では、ぶっちぎりでバリュー株が優勢。PBRで1倍割れの銘柄が片っ端から買い進まれています。反対に高ROE銘柄は理由もないままに売られています。東証マザーズ指数は3週連続で下落しました。

日経平均は19,000円の大台を超え、年初来高値を更新しています。ということは、今年に入って株を買った人はすべて利益が出ている計算になります。トランプラリーでマーケットが活気づくわけです。

セクター別では、TOPIX-17業種のうち15業種が値上がりしました。値下がりセクターは2業種にとどまっています。

値上がりセクターのトップは「電力・ガス」です。東京電力・福島第一原発の廃炉費用を含めた損失額の見積もりが8兆円から21兆円まで大きく増額され、国民負担の増加も不可避のものとなりました。電力料金の値上げが浸透しやすくなり、東電(9501)を筆頭に電力株が全面的に物色されました。

電力株は今や市場に残された最後の低位株という位置づけとも考えられます。かつてはいわゆる「ボロ株」と呼ばれた一群が必ず存在しました。業績がぱっとせず市場に取り残されてしまった株価の低い銘柄群です。

それらのボロ株は通常は人気の圏外に置かれていることが多いのですが、相場が動き出すとボロ株が一斉に動き出します。そして低位株であるがゆえに、いったん動き出すと上昇率は他の優良株との比較で何倍にもなります。

真の上昇相場はボロ株の乱舞があってこそ、と見ている古くからの投資家も多く、まさに今の相場はボロ株物色が完全に始まったことを示しているように感じられます。

東証2部でもシャープ(6753)の上昇力が強まっています。東証1部への復帰という材料らしい材料も付随していますが、これも株式市場の体温がここまで温まってきたひとつの証拠としてとらえることができそうです。

シャープの物色に合わせて、半導体、電機セクターではジャパンディスプレイ(6740)、SUMCO(3436)などのデバイス株が同じように上昇しています。

それ以外の上昇セクターには、「エネルギー資源」、「鉄鋼・非鉄」など素材関連、市況関連株が登場しました。これも先週までの流れを受け継いでおり、出光興産(5019)、石油資源開発(1662)、新日鉄住金(5401)などの、やはりこちらも人気の圏外に長らくあった銘柄が急速に復活しています。

大型株ではキヤノン(7751)、東京海上HD(8766)、ファナック(6954)、オリックス(8591)、パナソニック(6752)など、動きの鈍かった主力銘柄も広範囲に買われました。出遅れ株には出遅れてしまった機関投資家の買いが入っているものと見られます。

反対に値下がりセクターには「医薬品」、「食品」、「小売」などの内需的、ディフェンシブ的なセクターが目立ちました。先週とまったく同じ展開です。買われる銘柄は買われ続け、売られる銘柄も売られ続けるという、きわめてドラスティックな物色が続いています。

先週も記しましたが、現在の円安は原材料価格の上昇を通じて、企業業績に思いのほか負荷をかける要因になってきそうです。特に食品株、小売株の価格動向には気をつけておきたいところです。
 

以上



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