マーケット・アナライズplus+

番組詳細

2016年08月27日

8月27日

2016年8月28日 【先週のTOPIX 業種別騰落率】

「米国の利上げモードが一段と現実に」

熊本、大分で発生した地震により被災された皆さまに心よりお見舞い申し上げます。

鈴木一之です。イタリアのアマトリーチェで大きな地震が発生しました。ひとつの村落が丸ごと失われるほどの激しさがテレビ画面から伝わってきます。がれきと化したかつての住居の前で立ち尽くす住民の姿にこちらも緊張します。

リオ五輪の余韻に浸っている間は忘れることのできた、日々の暮らしの過酷さをあらためて思い知らされ、思わず身構えてしまいます。

先週の株式市場は続落しました。下げ幅は1%に満たない小さな値幅にとどまりましたが、日々の振幅がほとんど見られないほどこう着感の強い展開が続きました。

ジャクソンホールにおけるイエレン議長の講演を待つ形で、世界中のマーケットが動きを止めています。米国が金利引き上げを再開するのか。すでに前の週から一斉に要人発言が急速に増えており、市場は警戒感を強めています。

昨年12月に行われた最初の利上げからこちら側で、マーケットが被った市況変動の激しさを市場参加者は忘れてはいません。2度目の出来事による変動幅は1度目の時よりは必ず小さくなる、との経験則はあるものの、やはり警戒心を緩めることはできません。

業種別では、TOPIX-17業種のうち上昇が7業種、下落が10業種でした。値上がりセクターは「運輸・物流」、「食品」、「建設・資材」と内需セクターが先週までの失地をわずかですが回復しました。

また「素材・化学」も一貫して上昇しており、世界景気の先行き回復にベットした物色も同時に続いています。

一方で値下がりセクターとしては、「機械」、「電機・精密」、「自動車・輸送機」など輸出関連株が週間ベースでは軟調な値動きとなりました。特に週末にかけて下げが目立っています。

週を通じて為替が1ドル=100円を割り込む円高局面が何度か見られました。米国の金利が引き上げられる可能性が強まっているにもかかわらず、円高基調は緩みません。その辺りが今のマーケットの難しいところです。

今週は個別銘柄の物色が目立った週でもありました。マーケット全体が薄商いで、指数ベースでもこう着感が強かったために、個別銘柄が目立つしかなかったというのが実際のところです。

決算内容のよかったNSW(9739)やジャパンマテリアル(6055)、森永製菓(2201)、ハーツ・ユナイテッド・グループ(3676)が良好な決算そのままに買われました。

人類永遠の課題である環境問題対策では、新型電池開発のニュースからオハラ(5218)が連日のストップ高となり、反対に高齢者向けマーケットでクレームが表面化したピーシーデポコーポレーション(7618)には売り物が止まりません。

引き続き半導体、電子部品関連株はしっかりした値動きとなっています。円高基調は根強く残っていますが、自動車、エレクトロニクス株はネガティブな反応を見せなくなりました。

日本では土曜日に、イエレン議長の講演内容が伝わりました。「利上げの環境は整った」との発言を受けて、月曜日からのマーケットではまた新たな居所を探す作業に取りかかることになるでしょう。

金利引き上げに踏み切るという、通常であればそれなりの下落も覚悟しなければならない状況ですが、むしろ一部にくすぶっていた年末に向けて米国経済が失速するとの不安が取り除かれたことは好感される可能性も十分にあります。

その辺は7~8月にかけて起こった、世界的な景気敏感株の動意ですでに評価されていたのかもしれません。事前に予想しうるものは先に先にとマーケットには織り込まれ、予想しえないものだけがマーケットの価格に影響を与えています。

最近はそのような傾向が以前よりも強まってきた感じがあります。誰もがわれ先に先を読もうとして、そうなると人々の見方が一方向に収斂しやすくなり、実際にものごとが起こるよりもかなり先に市場は大半のことを織り込んでしまいます。

結果として予想どおりにものごとが動いたとしても、マーケットはもはや反応しなくなり、予想が外れた時にだけ必要以上に大きく反応します。「すべての予想は予想外れに終わる」という皮肉な現実だけしか残りません。

オリンピックでのメダル数が当初の予想よりも多かった、といううれしい予想外ればかりだったらいいですね。

以上






放送情報


  • facebook
  • twitter