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2016年07月16日

7月16日

2016年7月17日 【先週のTOPIX 業種別騰落率】

「英国の国民投票から3週間、またもやがらりと変わりました」

熊本、大分で発生した地震により被災された皆さまに心よりお見舞い申し上げます。

鈴木一之です。状況は再び大きく展開しました。世界中がリスクオンの動きに向かい、日経平均は5日続伸しています。

フランス・ニースでの悲惨な出来事やトルコの軍事クーデターが発生し、これがどこまで現在の株価上昇の基調に影響するかはまだはっきりとはわかりません。が、先物夜間取引の動きを見る限り、おそらくは今の上昇基調を大きく揺さぶるとは考えにくい状況です。

英国の国民投票を受けて、最初の1日は歴史的な急落、その後の1週間は6日続伸して株価はそれなりに戻りましたが、2週目は再び大きく下落しました。イタリアの不良債権問題とイギリスの不動産価格の下落懸念がきっかけです。

それが先週はまたもや大きく反転しました。日経平均は週を通じて毎日上昇し、5連騰となりました。上昇幅は1300円を超えどうやら19年ぶりの記録だそうです。

きっかけは米国の6月雇用統計です。米国の経済状況はやはり良好で、しかし現在の世界の政治・経済状況を鑑みてFRBはすぐには利上げに踏み切ることはむずかしい、という状況になっている模様です。

基調としてのドル安が継続し、ドルに通貨が連動しやすい新興国市場が一斉に反応しています。ひと頃はかなり厳しい状況に陥っていたブラジルの株式市場が完全に息を吹き返しており、ロシア、インド、そして中国まで株価と経済が堅調さを取り戻しています。

文字通りの「BRICs」相場の再現となっており、そこにインドネシア、タイ、フィリピン、ベトナム、シンガポール、香港など、アジア各国の株価上昇が続いています。ヨーロッパも遅れて上昇を開始しています。

「Brexit」の悪影響を「BRICs」がすっかり駆逐したかっこうです。日本の株式市場もようやく、これらの世界的な株価の上昇基調を追いかけ始めたようです。

TOPIXは大幅な反発を記録しました。1週間で9%近い上昇です。TOPIX-17業種のうち、ほぼ全業種が上昇しました。値下がりしたのはわずかに「食品」の1業種だけです。先週とはまったく正反対の動きとなりました。それ以外の16業種はすべて値上がりしました。

上昇率の上位は「銀行」、「その他金融(除く銀行)」がトップです。それに続いて「鉄鋼・非鉄」が続いています。ここまでの3週間にわたって最も大きく売られたセクターが際立って値上がりしました。これらはこの3週間だけでなく、年初から最も大きく値下がりしたセクターでもあります。

さらに「自動車・輸送機」、「機械」、「電機・精密」などの輸出関連株も上昇が目立ちました。世界中にリスクオンの流れが戻っており、それが急激なドル安・円高を緩和させています。105円台への円安が素直に好感されています。

これまで売られていた銘柄が一斉に上昇に転じているのと正反対に、これまで買われていた銘柄が売られています。アウトソーシング(2427)、ベクトル(6058)、GMOペイメントゲートウェイ(3769)、エス・エム・エス(2175)など、見事なほどのリターン・リバーサルの動きが見られました。この流れはまだしばらくは続きそうな状況です。

日本精工(6471)やマツダ(7261)、大和工業(5444)のように、あまりに極端な水準まで売られた銘柄が続出していただけにバリュー株物色の芽も生まれつつあります。グロース株とバリュー株、両者の両立はなかなかむずかしいものです。シーソーゲームのような展開はまだ続くと見られます。

そして任天堂(7974)です。先週の相場は何といっても任天堂の存在抜きには語れません。すでに今年のヒット商品NO.1の呼び声も高い「ポケモンGO」は、日本ではまだ発売されてもいないのにすでに町中で話題が沸騰しています。

時を超えて「ポケモン」人気は不動ですが、そこに今度はAR(拡張現実)とGPS(位置情報システム)が加わっています。ゲームの概念がまた新しい世界を開きました。既存のゲーム会社があおりを食って大きく揺さぶられています。

EU離脱、大統領選挙、テロ事件、軍事クーデター、マイナス金利、ヘリコプターマネー。大人の世界は複雑で判断に悩むことばかりですが、その悩みごとをしばし忘れさせてくれるピカチューと任天堂の存在はやはり偉大ですね。

最後に、名古屋IRエキスポでの公開収録、セミナーには今回も大勢の方にお越しいただきありがとうございました。名古屋は本当に気持ちのよい街です。いつ訪れてもそのたびに新しい発見があります。

IRエキスポも例年と同じくたいへんな熱気で、投資家の皆さまの熱意と企業研究に向けた探求心の深さをあらためて感じました。皆さま、ぜひまたセミナー会場でお目にかかりましょう。

以上






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