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2017年08月26日

何も出てこないジャクソンホールを注視して動けず

2017年8月27日 【先週のTOPIX 業種別騰落率】

「何も出てこないジャクソンホールを注視して動けず」
 

鈴木一之です。関東地方は、異例の長雨が途切れたとたんに猛烈な暑さが戻ってきました。

空を見上げて日照不足を心配していた私たちは、今度は一転して熱波を嘆いています。幸いなことにミサイルだけはまだ降ってきません。

本当に心配のタネだけはいつまでも尽きないものです。今度は「米国の財政の崖」を再び心配し始めています。


トランプ大統領は身内である議会・共和党の重鎮を本気で非難し始めまたようで、それをマーケットは新たな心配のネタにしています。先週に続いて、ここ2週間ほどの米国の問題を列挙しておきます。
 

・シャーロッツビルでの白人至上主義者との衝突
・大統領諮問機関の経済界の重鎮が相次いで辞任
・いくつかの諮問機関が閉鎖
・ブッシュ元大統領親子が非難声明を発表
・オバマ前大統領も非難
・ゲイリー・コーンNEC委員長の辞任の噂
・スティーブ・バノン上級顧問の解任
・債務上限法案を巡ってライアン下院議長、マコネル院内総務を大統領が非難
 

そこにジャクソンホールでのシンポジウムが重なりました。

イエレン議長、ドラギ総裁らが何を発言するのか、何も出てこないとわかっているにもかかわらず、何か出てきた時のために身構えている、というのが今週の世界の動きです。

心配されたように本当の「夏枯れ相場」がやってきて、東京市場は今年最低レベルの出来高、売買代金に終始しました。マーケットの動きが止まっています。


先週の東京株式市場では、TOPIXが3週連続での下落となりました。ごく小さな値下がりでしたが、上値を追う材料がほとんどないといった状態です。

ただし小型株はあいかわらず元気で、好業績が確信される銘柄を中心に、連日の大幅高があちこちで見られました。東証2部指数は3週連続での上昇。小型株はバリュー株、グロース株ともに大きく買われています。


セクター別では、TOPIX-17業種のうち、値上がりセクターは10業種で、値下がりセクターは7業種にとどまりました。同じ続落とは言っても、この辺が先週とは様変わりの状況です。

先週は値上がり業種が「エネルギー資源」のわずか1業種のみでした。

上昇の目だっているのは、その「エネルギー資源」と「素材・化学」でした。


中でも化学セクターは、三井化学(4183)、三菱ケミカルHD(4188)、宇部興産(4208)の大どころを中心に、ラサ工業(4022)、石原産業(4028)、デンカ(4061)、堺化学(4078)、戸田工業(4100)など、きわめて広範囲に買われています。


私は化学セクターが大好きです。油にまみれた実験棟が乱立し、地味な印象の強いところがなんとも好ましいのです。現場の実体はそんな状況ではもはやないのでしょうが、京浜工業地帯、京葉工業地帯に数多く存在し、日本の高度成長の基礎を築いてきたのが鉄鋼と化学です。


時は21世紀、時代は第4次産業革命の真っただ中にあります。自動運転、人工知能、クラウド、ビッグデータ、有機EL、電気自動車、水素燃料、非接触充電、無電柱化、キャッシュレス、ICタグ、デザイナーベビーなど、社会の在り方や産業界の姿かたちが続々と「再発明」されようとしています。


そこでは再び化学産業の役割がクローズアップされてくることになります。ローテクがハイテクの最前線へ。日本の技術があらためて見直されています。

このほかの値上がりセクターでは「小売」も健闘しました。夏の天候不順によってこれから出てくる月次売上の不振が心配されてもいますが、ターミナル駅や空港など夏休みのたいへんな人の出入りを見る限り、消費不振の心配は杞憂に終わりそうな気配でもあります。

一方の値下がりセクターは「銀行」と「食品」です。どちらも下げがより厳しくなってきました。「医薬品」もそろって軟調な動きです。


「夏の終わり」をどこで意識するか。日本人であればそれはやっぱり、高校野球の決勝戦でしょうね。今年の高校野球は近年では最高におもしろかったと感じている方も多いのではないでしょうか。連日の熱戦に見入ってしまいました。

とんぼが空を飛びかい、虫の音が響いて、夕陽がだんだん赤みを増してきて、気がつけばもう秋ですね。少しセンチメンタルなもの悲しい季節です。

秋は読書の季節。私もせっせと読書に励みます。今はドストエフスキーを読んでいます。

以上





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