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2017年07月01日

ECBの出口戦略、その羽音に驚く、の巻

2017年7月2日 【先週のTOPIX 業種別騰落率】

「ECBの出口戦略、その羽音に驚く、の巻」

鈴木一之です。先週の土曜日、札幌セミナーにも大勢のお客様にお越しいただき、本当にありがとうございました。

東京を発つ金曜日、東京地方もかなり激しい雨模様だったのですが、梅雨のない札幌は夕暮れ空がきれいに晴れ上がり、空気もカラリと乾燥していました。

この季節、南北に長い日本はこんなにも気候が違うものかと、あらためて札幌の大空に見入ってしまいました。北海道はこれからの季節が最高ですね。

先週のTOPIXは小幅ながら3週連続の上昇となりました。週の半ばにドラギ総裁の発言が伝わり、各国の長期金利が急上昇を示しました。

実勢金利が上がらない「イエレン・コナンドラム」が声高に指摘されたのももはや過去の話題。ECBもいよいよ出口戦略を採り始めたのかとマーケットは色めき立っています。

ただし、わずか3日間ではまだ何も決着はついておらず、この後の展開に市場の関心は持ち越しです。

先週のTOPIX-17業種は、上昇が9業種、下落が8業種とほぼ拮抗しました。ただし物色の動向はそれまでとはがらりと変化しました。

値上がり上位は「鉄鋼・非鉄」でした。それに続いて「エネルギー資源」、「商社・卸売」という景気敏感セクターが一斉に買われました。

ほぼ底値からの全面的な反発と言ってもよいでしょう。世界的な長期金利の上昇に連動してバリュー株への流れが一気に始まっています。

金利上昇を背景に「銀行」、および「金融(銀行除く)」の金融セクターも物色されました。112円台への円安の進行によって「自動車・輸送機」も上昇しています。まったくもって目まぐるしい展開です。

反対に値下がりセクターには、「食品」の2週連続マイナスを筆頭に、「情報通信・サービスその他」、「小売」、「運輸・物流」などの内需セクターが入りました。

しまむら(8227)、ニトリHD(9843)が減益発表で大きく売られた小売セクターの値下がりが顕著です。今週はさらに第1四半期決算の発表が予定されており、それまでの内需株優位の流れがはっきりと変わる潮目に来ている可能性もあります。

東証2部となった東芝(6502)が9日続落しました。それとは別に、KDDI(9433)が8日続落、NTTドコモ(9437)が7日続落です。

東京エレクトロン(8035)やアルバック(6728)、SUMCO(3436)などの半導体セクターも一時の勢いが目立って薄れてきました。内需セクターばかりでなく、テクノロジー株を含めて物色の流れが変わりそうな6月・半期末の値動きでした。

日経平均はよたよたしながらも、これで10日連続して2万円の大台をキープしました。6月1か月で+1.95%の上昇でした。

1-6月では+4.8%の上昇となっています。7月以降も続けてプラスのパフォーマンスを維持できるのか、ものごとそんなに調子よく行くものではないのか。興味深いところです。

それにしても3週前のアマゾン・ドットコムの急騰と急落に始まり、2週前のFRBによる4度目の利上げ実施、さらに資産圧縮プログラムの発表。NY市場の動きばかりに目を奪われていましたが、そこにドラギ発言に端を発する欧州発の金利上昇です。

まったくもって気の休まるヒマがありません。これでは株式市場が強気一辺倒に傾く、などということは夢のまた夢で、そこら中に不安心理が充満しています。

そのような世界の大きな波の中で、ほぼ同時進行する形となった、5週連続での「リアル・マーケット・アナライズ」。名古屋→金沢→福岡→横浜、そして札幌。はからずも一連の欧米市場の変化をつぶさに実況中継かつアナライズする結果となりました。

トランプ減税、カタール国交断絶、総選挙後の英国、米国の株価動向、ロシアゲート、サイバーテロ、そして日本の政局と、本物の変化は実はこのあとから始まるのかもしれません。

人工知能の未来や「第四次産業革命」の進展の度合いも含めて、さらにいっそう、神経をとがらせてウォッチしてまいります。

札幌セミナーでも大勢の方からお声をかけていただき、本当にありがとうございました。番組へのご意見やご感想もたくさんいただき、それらのお声のひとつひとつがとても励みになります。

7月から8月にかけては、「リアル・マーケット・アナライズ」のようなセミナー開催は少し一服することになりそうです。

かわってその分、毎週お送りしている番組内容の充実を図ってまいります。

私もこの2か月ほど、本を大量に買い込んでは、ほとんど手をつけずにデスクの脇に積み上げてあります。文字通りの「つんどく」状態です。夏は読書の季節。夏本番となるこれからは本を読むことに没頭しようと思います。

今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

以上







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