ザ・カセットテープ・ミュージック

スージー鈴木のボーナス・トラック

2018年09月07日放送

第23回「スージー鈴木の個人的BOOWYベストヒット」


テレビ本編の「BOOWY特集」ではマキタスポーツ氏が中心に話されたので、ここでは、スージー鈴木の個人的視点から、BOOWYの名曲をご紹介したい。


■BOOWY『B・BLUE』

  • 作詞:氷室京介
  • 作曲:布袋寅泰
  • 編曲:布袋寅泰
  • 1986年9月29日発売

前シングルの『わがままジュリエット』(86年2月発売)は3.6万枚しか売れていないので、世間的にBOOWYは、この曲のヒット(13.7万枚)によって世に出たことになる。ということは、まず、この曲のイントロで、世間はBOOWYを知ったこととなる。

せっかちなイントロだ。「♪ドッ・タン・ドド・ターン」という、ドラムスだけのせわしないエイトビートが続き、最後の2小節で、「♪ギリギ・ギリギ~」という、かつて聴いたことがないようなギターサウンドが盛り上がる。

このドラムスだけのイントロというのが、80年代、けっこう新しかったのである。おそろく、a-ha《テイク・オン・ミー》やケニー・ロギンス《フットルース》あたりの影響下にあったのだろう。また、ドラムスが、パワフルな音圧で録音できるようになったことも、「ドラムスだけイントロ」の生成に影響しているはずだ。

1986年、「♪ドッ・タン・ドド・ターン」という、パワフルな音圧のドラムスとともに、BOOWYが世に出てきた。まさに新しい時代が、この「♪ドッ・タン・ドド・ターン」から始まろうとしていた。




■BOOWY『ONLY YOU』

  • 作詞:氷室京介
  • 作曲:布袋寅泰
  • 編曲:布袋寅泰
  • 1987年4月6日発売

『B・BLUE』に続くシングル。この曲でBOOWY人気は決定的なものになったと記憶する。

さて、私のPCには、89年、私が大学4年生として参加した、大学のゼミ合宿の映像が残っている(テープで録画したものを後にデジタル化)。その映像の中で、私のエアギターをバックに、私の友人がこの曲を歌っているのだが、その2人が、異常に乗っているのだ。

今から考えると、この曲には、そういう「当時の若者を、理屈抜きで乗らせる何か」が詰まっていると思う。強く叩き付けるタテノリのリズム、尖鋭的なギターの音、カノン進行、あからさまな転調......などなど。

それはすなわち、BOOWYという音楽集団の魅力そのものでもある。「超然と我が道を行く」という雰囲気をまといながら、実は「大衆の腰をどう動かすか」を、徹底的に、理詰めで計算していた研究集団――それがBOOWYの本質だったと思う。

89年、平成最初の夏、体重たった50kgのスージー少年が、テニスラケットをギターのように抱えて、大広間の畳の上、約1mの高さで跳躍したのは、BOOWYの研究結果のたまものだ。




 >今回の放送内容はこちら 


  • facebook
  • twitter