ザ・カセットテープ・ミュージック

スージー鈴木のボーナス・トラック

2018年04月06日放送

第13回「あの有名ミュージシャンが歌う野球関連曲!」

■矢野顕子『行け柳田』

  • アルバム『東京は夜の7時』より
  • 1979年4月25日発売
  • 作詞:矢野顕子
  • 作曲:矢野顕子

珍曲中の珍曲と言っていいだろう。まずもって、あの矢野顕子が歌う野球ソングなのである。

タイトルにある「柳田」とは、ホークスの柳田悠岐では(もちろん)なく、70年代後半に巨人に在籍していた柳田真宏のことである。王でも張本でもなく柳田という段階で、かなり通な選択である。

そしてさらに驚くべきは、この柳田真宏、余技として歌が上手かったのだが、その余技が本業となり、引退後に演歌歌手としてデビューしてしまったということだ。

さらにさらに驚くべきは、このライブアルバムで、その珍曲を演奏しているのが、イエロー・マジック・オーケストラ(細野晴臣、坂本龍一、高橋ユキヒロ)に山下達郎に吉田美奈子に松原正樹だということである。ここまで来ると、正直何が何だか分からない。

ただワタシ的に、とても大きな事実は、「矢野顕子が巨人ファンだった」ということだ。「オルタナティブな音楽シーンの頂点に君臨するような矢野が野球好きかよ」「それも、最もコンサバな巨人を選ぶのかよ」という驚きだ。とにかく幾重にも深い珍曲中の珍曲だ。


■THE BLUE HEARTS『ホームラン』

  • アルバム『HIGH KICKS』より
  • 1991年12月21日
  • 作詞:真島昌利
  • 作曲:真島昌利

ブルーハーツは、意外にも野球のニオイが強いバンドである。この曲でも、「ロック衝動」ならぬ「野球衝動」が存分に語られていて。少年時代に彼らが野球少年だったことがよく分かるのだ。

歌詞でいいのは、「となりのグランド」に「21世紀の金田やONがいるぞ」というフレーズである。まぁ「ON」(王・長嶋)はともかく「金田」(正一)というのは、いかにも古い。日本プロ野球史上最初の、そしておそらく最後の400勝投手。しかし、そういう古い選手の名前を出してくるあたりに、彼らのルーツ・オブ・ロックへの傾倒に近いセンスを感じさせる。

ちなみに、ブルーハーツの後継であるザ・ハイロウズには『夏の朝にキャッチボールを』(96年)という名曲があり、さらに甲本ヒロトのソロデビュー曲=『真夏のストレート』という曲もある。ことほど左様に、野球のニオイが強い。

また、ブルーハーツの曲は、プロ野球の出囃子(打席登場曲)に選曲されることが多く、最近では、ライオンズの一番打者・秋山翔吾の出囃子が『君にやさしく』で、二番を打つ源田壮亮が『リンダリンダ』である。所沢近辺では、ブルーハーツ・ファンが増えているのではないか。

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