ザ・カセットテープ・ミュージック

スージー鈴木のボーナス・トラック

2017年12月01日放送

第5回「ギターソロ大賞とクリシェ大賞の発表!」

■レベッカ『フレンズ』

  • 作詞:NOKKO
  • 作曲:土橋安騎夫
  • 編曲:レベッカ


1985年10月21日発売
今回は「カセットテープ大賞」(カセ大)のオンエアでかけられなかった2曲をご紹介したい。
まずは80年代の「ギターソロ大賞」として、この曲を。とはいえ、この曲は何といっても歌詞が魅力で、NOKKOの鋭い言語感覚が凝縮された2つのフレーズ=「♪口づけをかわした日は ママの顔さえも見れなかった」「♪指をつないだら ohフレンズ 時がとまる気がした」で、長く記憶されていると思うのだが、それに輪をかけて、ギターソロが素晴らしいのだ。
そのソロは計16小節。特に聴きどころは後半の8小節。更に細かく見て、その「後半の前半」(9~12小節)と「後半の後半」(13~16小節)は、同じメロディをオクターブ違いで弾いているのだが、その切ないメロディがいい。それは、先の2つのフレーズと相まって、1985年の少年少女の胸をかきむしったメロディだ。再結成したレベッカが、一昨年=2015年のNHK『紅白歌合戦』に出場した。
迫力が劣化したNOKKOの声も残念だったが、それよりも残念だったのが、何と、そのときの演奏には、ギターソロが無かったのだ。あまりにも残念過ぎて、時がとまる気がした。


【80年代クリシェ大賞】

■テレサ・テン『時の流れに身をまかせ』

  • 作詞:荒木とよひさ
  • 作曲:三木たかし
  • 編曲:川口真


1986年2月21日発売
そもそも「クリシェ」とは何か。乱暴に説明すれば「コードのどれかの音が半音ずつ下降(ごくたまに上昇)していくコード進行」のこと。
世界で一番有名なクリシェと言えば、ビートルズ『サムシング』の歌い出しか?それよりもビートルズ『ミッシェル』のイントロや、レッド・ツェッペリン『天国への階段』のイントロと言った方が、その感じが分かりやすいかも。
これらの曲が醸し出している「哀愁の階段をひとつひとつ下がっていく感じ」がクリシェの効用なのだが、そんなクリシェを、とても印象的に活用したのが『時の流れに身をまかせ』である。具体的には「♪だからお願いそばに置いてね」のところ。ベース音が「ラ→ソ#→ソ→ファ#」(キーはF)と、半音ずつ下がっていく。対して歌メロは「♪そばに置いてね」の「ば」で最高音に達し、コード進行と見事なコントラストを見せる。
「1980年代のテレサ・テン」と言えば『つぐない』(84年)と『愛人』(85年)とこの曲ということになるが、『つぐない』『愛人』とこの曲とは、根本的に格が違うと思っている。なぜならこの曲は、「愛人」ではなく「愛」そのものを歌っているのだから。



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