ザ・カセットテープ・ミュージック

スージー鈴木のボーナス・トラック

2017年10月13日放送

第2回「大森隆志によるギターソロ名演集!」

■サザンオールスターズ『赤い炎の女』 アルバム『綺麗』より

  • 作詞・曲:桑田佳祐
  • 編曲:サザンオールスターズ


1983年7月5日発売
今回は、10月に放送した「サザンB面特集」のボーナス・トラックとして、より深い視点でのサザン分析をしてみたい。そこで「初期サザン・ギターソロ名演」を選曲する。

まずは、私が自著『サザンオールスターズ1978-1985』(新潮新書)で、こう紹介した、この曲である。

――中間部のアコースティックギター・ソロは、大森隆志のベストプレイと思う。(中略)関西で放映されていた朝日放送『ヤングプラザ』というテレビ番組で、大森がこのソロを、見事に弾くさまを観て、たいそう驚き、見直した。

デビュー時から高い水準にあった、松田弘のドラムスや、原由子のキーボードのプレイに対して、大森隆志のギターは、正直食い足りないと思っていた。ただし、サザンの「初期の中期」=アルバム『綺麗』あたりから、テクニックがぐんぐんと向上してくる。そして、この曲の華麗なフラメンコ風ギターソロに至る。

私はこのソロを、もうかれこれ30年以上練習しているが、未だに満足に弾けない。一生弾けないのではないかと思い始めているのだ。


■サザンオールスターズ『旅姿六人衆』 アルバム『綺麗』より

  • 作詞・曲:桑田佳祐
  • 編曲:サザンオールスターズ


1983年7月5日発売
『赤い炎の女』同様、アルバム『綺麗』より、そのラストを飾る「サザン版・ヘイ・ジュード」のギターソロ。

『赤い炎の女』のソロの華麗さに対して、こちらは実にワイルド。ディストーションの強くかかったエレキギターで、メジャー・ペンタトニック(5音音階)と、マイナー・ペンタトニックを行き来する、ぐちゃぐちゃっとしたフレーズが吠える16小節のギターソロだ。

特に好きなのは。細かな話になるが、11小節目の、メロディーの音程が、階名で「ミ→ファ→ファ#→ソ」と半音ずつ上がるところ。2分32秒あたり。お暇な方は、聴き確かめていただきたい。

アルバム『綺麗』以外の初期サザンで、好きなギターソロと言えば、アルバム『KAMAKURA』の『吉田拓郎の唄』と『鎌倉物語』という、B面のラスト2曲の並びだ。あの並びは、大森隆志ギターソロの1丁目1番地だと思う。

大森隆志が脱退して、かなりの月日が流れた。この曲や『赤い炎の女』のキダーソロを聴きながら、あの「六人衆」だった頃のサザンを、ふと思い出す。



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