小泉今日子、山下達郎、沢田研二、尾崎豊…。
80年代歌謡曲を中心に、さまざまな名曲に隠された魔法を独自理論で解き明かし、あまりの熱量にMCが涙しながら語る謎の番組『ザ・カセットテープ・ミュージック』(BS12 トゥエルビ/日曜よる9時〜)。
番組MCを務める俳優・ミュージシャンのマキタスポーツ音楽評論家・スージー鈴木が、独断で繰り広げる超マニアックな音楽論とは…!?

“ソ#(ソシャープ)”がエモい!
代表例:尾崎豊『卒業』
(1985)

番組企画の第1回「輝く!日本カセットテープ大賞」(2017)で「最優秀ソ#大賞」に輝いた尾崎豊『卒業』(1985)や、沢田研二『時の過ぎゆくままに』(1975)など数々の名曲を生んだ音階“ソ#”。一般的には取り上げられることも少ない音階ですが、こだわる2人は、“ソ#”こそ曲のエモさを引き出す!と解説していきます。

“ソ#”は80年代だけではなくJ-POP全般にも用いられ、スージー鈴木は“aikoのソ#連打”と銘打った『カブトムシ』(1999)をピックアップ。こちらはサビで、“ソ#”が5回も連打されているのです。マキタスポーツも、「aikoのすべてが詰まった出色の作品」と絶賛しました。

ちなみに、世界でもっとも有名な“ソ#”曲には、“早すぎるソ#曲”(曲の冒頭からソ#)でもあるザ・ビートルズ『イエスタデイ』(1965)を挙げています。2019年にブレイクした、Official髭男dismの同名異曲『イエスタデイ』にも“早すぎるソ#”が使われていると、その手腕に興奮する2人なのでした。

名曲に隠された必殺ミファミレド
代表例:テレサ・テン
『時の流れに身をまかせ』
(1986)

番組企画の第1回「輝く!日本カセットテープ大賞」(2017)で「最優秀ソ#大賞」に輝いた尾崎豊『卒業』(1985)や、沢田研二『時の過ぎゆくままに』(1975)など数々の名曲を生んだ音階“ソ#”。一般的には取り上げられることも少ない音階ですが、こだわる2人は、“ソ#”こそ曲のエモさを引き出す!と解説していきます。

“ミファミレド”はマイナーコードでエモくなるとの持論から、反例の「もっともエモくないミファミレド」に、PUFFY『これが私の生きる道』(1996)が取り上げられたことも。

勝った気になるガッチャマン進行
代表例:チェッカーズ
『涙のリクエスト』
(1984)

マキタスポーツが提唱する“ビクトリーコード”は、勝利しかない雰囲気を作り出すというコード進行の新理論。またの名を“ガッチャマン進行”。

その由来は、誰もが知っている子門真人『ガッチャマンの歌』(1972)のサビに。チェッカーズ『涙のリクエスト』(1984)も例に、全音が2回進行する“A♭→B♭→C”で、やたら前向きなイメージが生まれると熱弁を振るいました。

独特な色気を持つB♭からの流れが醸し出す、過剰なほどのビクトリーロード感と、そこへ向かっていく気持ちを演出する代表曲には、Mr.Children『CROSS ROAD』(1993)をセレクト。第3回「輝く!日本カセットテープ大賞/最優秀ガッチャマン賞」(2019)にもMr.Children『Tomorrow never knows』(1994)を選出し、ミスチルの曲が持つ前向きなメッセージ性や、前進を促す楽曲性について、コード進行からひも解いていきます。

最後には「ただ好き!」が爆発…
これぞ
“音楽好きおじさんの解放区”

マキタスポーツが繰り返し語る小泉今日子『優しい雨』(1993)の切なさも、コードから分析。胸がキュンとするコード:m7-5(マイナーセブンスフラットファイブ)が曲の最後に使われることで、切なさが爆発するという。キョンキョンが大好きなマキタスポーツが、ただただこの曲への愛を語る姿は、もはや番組の風物詩に。

また、番組ファンを公言するGLAYのTAKUROがゲスト出演時に提起した、ポップスの“シティVS.アーバン”も新たな論争に。そのきっかけは、山本達彦『ロンリー・ジャーニー』(1984)は函館にアーバンを持ち込んだと語るTAKUROが、「シティポップは函館に届かなかった」と訴えたこと。山下達郎はシティ、寺尾聰はアーバン、ならば杉山清貴&オメガトライブ『SUMMER SUSPICION』は…? など、“シティポップ”と“アーバン”の違いを追求しました。

気兼ねなく語り合う音楽談議は、いつまでも尽きません。学生時代の仲間と懐かしい音楽を聴きながら、尾崎豊や小泉今日子の楽曲に青春をダブらせ、80年代の埋もれた名珍曲(!?)もイロモノではなく音楽性から考える。そんな“音楽好きおじさんの解放区”が、『ザ・カセットテープ・ミュージック』なのです。

(文/藤井淳)

日曜よる9時〜、BS12で無料放送中。

2020年7月5日 日曜よる9時〜

テーマ
「ふたりの夏物語特集」

今年の夏は、いい音楽と共に!音楽ずきおじさん・マキタスポーツ&スージー鈴木が「夏」の名曲を思い出と共に紹介します!スージー鈴木は、「ドシソ」という音の並びを使った曲を紹介。「ドシソ」は夏に合うという研究結果を発表します。マキタスポーツは、80年代のサマーソングに多い、ある特徴をまとめた「夏MIX」を発表!不可思議コード「オーギュメント」の魅力も解説。